弁護士法人 名古屋南部法律事務所

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担当事件紹介2010/01/10

障害者自立支援法違憲訴訟

[弁護士]勝田 浩司・[弁護士]高森 裕司

「働きに行くとお金を負担しなくてはならない」って?

「働きに行くとお金を負担しなくてはならない」―そんなこと信じられますか? 実は2005年に成立し2006年から施行された障害者自立支援法はそのような「応益負担」を定めた法律なのです。

同年までは障害者の人たちは施設等の利用をしても負担はなく、またたとえあったとしても「応能負担」すなわち負担能力に応じた負担があっただけであり、大部分の人たちは負担がなかったのです。

問題点だらけの「応益負担」

しかし同法により、障害者が「サービス」を受けた場合にはそれを「利益」として、原則として利用料の1割を負担しなくてはならなくなりました。そのため、障害者のうち、裕福と言えない人たちはより逼迫し、施設利用を控えたり、さらには一家心中事件さえも起こりました。

また、障害者が健常者と同じような仕事をしていても、利用料の負担があるとか、移動するための支援にも負担があり、思うように移動が出来ないなど、健常者にはおよそ考えられないような負担が課せられています。さらに、障害が重い人ほど利用料の負担も重くなるという矛盾もあります。

成立当初からそれらの矛盾が噴出し、国は特例措置などを講じざるを得なくなっていたのですが、それでも障害者の家庭の苦しさは改善されませんでした。

全国14地裁で訴訟、名古屋でも

そこで、「応益負担」は憲法や障害者権利条約、障害者基本法に違反するとして2008年10月以降現在まで3次にわたる訴訟が全国14地裁で提起され、原告数も既に70名に上っています。

名古屋では20代の知的障害の男性が2009年10月1日に提訴し、12月3日には第1回弁論が行われました。当日は障害を持つ「仲間たち」約70名が裁判を傍聴する中で原告の意見陳述が行われ、スライドを使って施設での生活等を映し出し、非常にわかりやすい意見陳述になりました。

「仲間たち」の権利実現のために

ところで2009年9月に成立した民主党政権は自立支援法の廃止を明言し、2010年1月7日に原告らとの間でも(1)自立支援法の廃止、(2)拙速な立法によって混乱を招き、障害者の尊厳を傷つけたことへの反省、(3)今後も定期協議を実施することなどの合意をしました。これは、国を相手とした今までのどの訴訟でもなかった歴史的成果であると言えます。

訴訟自体はまだ終結しておらず、また障害者にとって本当に満足できる制度が構築されるかどうかはまだ不透明な部分もありますので、当事者団体とも協力しながら訴訟や交渉を通して「仲間たち」の権利実現のために今後とも頑張っていきたいと考えています。
(担当弁護士 高森、勝田)


2010年1月の記事

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